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【1分で読める社長ラジオ】組織の戦術理解度UPで効率的なコミュニケーションを図る

当社では、「インティメート・マージャーのオープン社長室」と題し、代表である簗島の考えを共有するツールとして、Spotifyで定期的にラジオ配信をしています。

社長が普段思うこと、日常生活での気づきが凝縮されているので、定期的にテキスト化してお届けしていきます。是非ご覧ください!


今回のテーマ:【組織の戦術理解度UPで効率的なコミュニケーションを図る】

簗島:例えば「仕事が好き」という言葉。このような言葉一つとっても、「知らないことができるようになることに高揚感を感じるタイプ」の人もいれば、「みんなで1つの目標を目指していくのが好きなタイプ」の人など様々ですよね。

これは会社の面接上で重視していることでもあるのですが、「いい人」というのを見極めるのも、結構難しい。「いい人」って、「絶対値の能力としてのいい人」という考え方もあれば、「ROI(投資利益率)」からみる考え方もありますよね。概ねの場合では、会社の経営という意味だとROIの方が比較的良いという定義にはなりがちです。私のレイヤーの中でも、1次面接や2次面接ではスキル面を聞くことの方が多いのですが、やはりROIに関しては、「今までの経歴で、このスキルがあるから」というよりも、言葉の定義が合っているという点がポイントとなるケースが多く、面接においてもそういった言葉の定義のすり合わせをすることが多いです。

よく「戦術理解度」といわれるようなことですが、例えば「あの仕事は楽しいですよ」と相手に伝えた際、「楽しい仕事」の「楽しい」たるところの感覚がずれてしまっていると、 楽しい仕事ですよと言った時に受け取り手がどう受け取っていいかって、難しいですよね。ですが、逆に「楽しい仕事ですよ」に対して「どこがどう楽しいんですか」という風に聞く方は、あんまり多くはないと思います。

これも暗号のような話で、「楽しい」という言葉は分解すると「誰もやったことがなくて、お客様にとって社会的・世の中的に価値があり、誰かがやらなければならないという使命感がある仕事」が楽しいという風に投げられたりすることもある。ですが細かく1個1個分けて話すのに3倍の時間がかかるとすれば、「楽しい仕事です」という一言で通じたら、時間が3分の1で終わる。電子回路で例えるところの「抵抗」の部分に近く、抵抗が少ないと電気が流れやすくて抵抗が高いと熱を持ちやすい。なので、「言葉」や「戦術理解度」という部分が、ナチュラルに最初から揃っているかどうかというところは、すごく重要だと思います。競馬などに対しても思うことですが、「私競馬好きなんですよ」と言われた際、「馬を見て、めでてるのが好きです」というような人はいても、「馬券が好きなんですね」と思う人はあんまりいない。

そういう視点でいうと、このような違いはやはりプリミティブすぎて、すり合わせをしなければいけない要素なんだなと思うことが多いです。「楽しいという言葉が、使い方によって色々な要素を含んだ言葉である」というような感覚があるかどうかといったような思考回路が頭にあるかだけでも、結構違ってきます。

これもよくある話ですが、例えば「私に見えているこの黄色というものは本当に黄色なのか」というようなところで。意外と私自身の周りにも、少なくない人数で「パイロットを目指していたけれども、途中で色弱がわかってパイロットになれなかった」というような方がいます。これは一見すると「色が見えていないのに、どうして気がつかなかったのだろう」とやや不思議な感覚に思えるかもしれませんが、本人にとっては本当に気がつかないものなんです。その本人にとって「黄色」というのは「なんか少し明るい灰色のこと」というような風に言語化されずに記憶に入ってくるので、そのまま大人になって普通の生活でほとんど支障がない、というようなケースが多くあるんですよね。

このように考えると、色の見え方でさえも、実はずれてるケースが相当なパーセンテージであります。なので「それがそういうものである」ということを、頭のどこか片隅に置いているか置いていないかというだけでも、ものの受け取り方はだいぶ変わってくる気がします。大体思い込みというのは、いい意味と悪い意味が両方ともあります。思い込みの内容が周りと一致してると、仕事ってすごい速度で進みますよね。なので思い込みが強いということは、場所によっては「最大価値が最大に出る」ということでもある。その一方で、思い込みが強いことは同時に変化に弱いということでもあるので、 変化をした時に意外と対応できなくて辛いという側面もある。

そのような部分も含めると、いわゆる「仕事ができる」って何だろうといった話になるのですが、思い込みが強い人が仕事ができる場面もあれば、フラットで言葉の定義がしっかりある方が良い場面もあります。そのようなところは人によって結構異なってくるような箇所でもあり、職場の中でもROIが上がるかどうかというのにとても近い部分でもあるので、その部分を考慮するとすごく難しいなと思うことが多いですね。ですがどちらかというと、一般的には自分とすごく感覚の近しい人がたまたまいるという状態が出来上がっている会社に、たまたま行くことができるという可能性の方が非常に低い。私たちもそうですが、色々な人を採用してくるという前提の中、やはり同じような人ばかりいても、あんまり大きなアウトプットが出ないんじゃないかと思うところはあります。

あとはやはり、「なぜ同じじゃないんだろう」と疑問に思うところからが始まりだと思います。人は同じじゃないので。私に今聞こえてる音も、もしかしたら違うかもしれない。それこそ色や音の見え方に気がつかないというのもそうですが、意外と様々なものに気がつかないということはあります。やはりそういう視点で考えると、違っているし間違っていることを当たり前だと思っていることって意外と多いという考え方はすごく重要ですよね。

その上で、結局は「それが聞ける関係にあるかないか」また「それを聞くメリットがあるかないか」ということに近くもなるのですが、個別最適解でいうと基本的には「聞かない」という選択が大体メリットになるんですよね。「もし間違っていると言われたら怖い」というようなことを思うと不安な気持ちもでてしまう。その一方で、組織としてのアウトプットを最大化しようという前提で考えると、聞かないとアウトプットや成果が出せないかもしれない。なので組織最適というような視点でいうと、そのような「お客様に対して価値が出せないかもしれない」という理由で、聞くという選択の方に行きがちなんですよね。

ですので、組織でそのようにコミュニケーションを取るというと、一般的に取らない人はコミュニケーション能力が低く、取る人はコミュニケーション能力が高いといったようなケースになってしまうような傾向が多いのでとても難しくはありますが、基本的にはみんながそれぞれ違うので、実際のレベル感としては「コミュニケーションを取った方がいい」というような、本当にそれぐらいのことなんです。例え大きなナウマンゾウが現れて倒すとなったとしたら、きっと私も「そっちに行ったぞ」って叫ぶと思いますし。

そのようなコミュニケーションでいくと、会社ではオリエンテーションなどの機会が、こういう言葉の定義と合いそうだな、と。みなさん「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」ってやったことありますでしょうか?このイベントはすごくよくて、本当に1時間や2時間くらいなのですが、私はこれやって相当変わりました。何も見えない場所において、一緒に5人ぐらいで、手を繋ぎながらゴールを目指すんです。でも、暗いところって本当に暗くて、怖いし不安なんですよ。もしかしたら階段があるかもしれないし、落とし穴があるかもしれない。怪我をするようなことはないとしても、不安なので少しでも情報が欲しいんです。

例えば、誰かに「ここ危ないですよ」って言われると、「え、なにがどう危ないんですか」みたいな。 「それは私の左手側の人が言ってるんですか。右手側の人が言ってるんですか。」という感じで、質問を逐次聞くんです。自分が知っている情報を、相手が欲しい状態にどうやって伝えていくかというような体験は、すごく良い経験だったなと思って。しかも「暗闇みたいなそこまで怖いというわけではない場面でも、これだけ効くんだ」というような感覚があったので、こういうことをしてみる体験も個人的には面白いと思います。研修って目標・目的が必要だということもあるので、このようなことを1回試してみていただくのもいいかもしれません。

このようなお話も含めると、会社の経営に至ってもこれは同じことなんじゃないかと思ったりします。基本的には全員で暗闇を歩くのと一緒で、見えている方向に走るというよりは「あっちの方にゴールがあるのではないか」というのを社長とかがただ言っているだけなので。ですのですごくミニマムに言うと、結局本当にやっていることは、これに近くものであるし、むしろこちらがゴールのような気がします。

経営などにおいてもそうですが、「風が流れてきているからこちらがゴールなのではないか」というように、本当にゴールかどうかは今得られている選択肢の中で「相対的には悪くない選択肢である可能性が高い」というようなささやかな要素で判断されたりします。なのでそのような小さなレベル感の体験型の研修でも、情報があるってすごく嬉しいし、自分を安心させてくれるんだなと。

自分以外のその場にいる全員が、「こちらの方に行きましょう」と言ったのに、自分だけ言えなかった時の恐怖感。もし「目の前に机があるじゃないですか」と言われて手を伸ばしたのに目の前に机がなかったら、もはやそこには穴がある可能性さえもあるわけで。そのように思うと、自分がもしそこに机が存在しないことを知っていたとしたら、「そこに机はないですよ」って伝えますよね。もし伝えなければ「ではそこの机の方向に歩いてってください」というようなこと言われた時に、「机なんかないけれども…」と思う恐怖感があるので、このような際に意外と効くんです。

これが私自身にとってはすごく良い経験だったので、いつか同じようなことを社内でもトライしてみたいなとよく思っています。それと、あとはやはり学びですね。どのようなテーマで、何をしていくのか。その部分は、このような体験を行っていく中でもとても重要だなと感じました。


このようなお話を聞くと、いかに自分が普段から思い込みの色眼鏡をかけて言葉を定義していたかに気づかされますね。「戦術理解度」のお話でもありましたが、組織内でも言葉の理解度を高めることによって、より効率的なコミュニケーションを図れるようになればいいですね。

🌟今回のお話がラジオで直接聞けるSpotifyリンクはこちら!⇒https://spotifyanchor-web.app.link/e/ycCtCs4CoBb

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