ポストCookieソリューションが起こす"アドテクノロジーの産業革命"
Google Chromeの3rd party cookieの利用制限の延期が発表されましたが、新しくGoogleの公式ブログに暗号化シグナル・Seller Defined Audiences(SDA)への対応などが進められているという話が掲載されていました。
私たちインティメート・マージャーは、日本国内を中心としてポストCookieソリューションサービスをリリースしていますが、連携をさせていただく先はPubmaticやRubiconなどのSSPやthe Trade DeskやDisplay & Video 360などのDSPなどグローバルにサービスを提供しているアドテクノロジーの会社が中心となっています。
そこで見えてきたアドテクノロジーの業界が超えていかなくてはいけない技術的な課題についてご紹介させていただければと思います。
DSPには3rd party cookieに紐づくデータを利用した最適化機能が動いている
資料請求や申し込みなどのマーケティングゴールがWeb上に存在してるキャンペーンにおいてDSP上のCPAがなるべく低い数値になることはとても重要です。また、ブランドリフト調査などのブランディングをゴールにしたキャンペーンにおいてもトラッキングが可能なターゲット対象に対して、広告を配信することによって調査費用を抑えることができるようになります。
そういった背景を考えるとアドテクノロジーの業界は長年の間3rd party cookieを利用した最適化機能が動いています。ポストCookieソリューションを最大限活用して、3rd party cookieが使えない在庫に対してアプローチをしていくことを考えるとこの手の最適化機能は不要な機能になってしまうことが多く、実際に活用していく上ではこれらの最適化機能がなるべくかからないDSPの設定が必要になってしまいます。
ポストCookieのソリューションを最大限活用していく上ではポストCookieに特化したDSPなどが登場する必要が出てくるのではないかと考えています。
SSPにとっては3rd party cookieが利用できない在庫はコスト面で悩ましい存在になっている
Header Bidding ソリューションやSSPを利用してメディアのCPMを最大化していくことを考えていくとメディアはなるべくBidderに対して入札金額を上げてもらうための情報を提供していくことになります。
それらの背景もあり、1PVあたりに発生するインフラコストやサーバーコストはテクノロジーにより上がってきており、さらに日本においては円安の影響により入札機会が得られない在庫はコスト面でSSP・DSPともに取り扱いが悩ましい存在になっています。
アドテクノロジーの各社はこれらの課題をどうにか解決するため、入札機会が得られづらい3rd party cookieが使えない在庫の取扱量を互いに減らしていく仕組みをオークションの中に入れていく取り組みを始めたり、機械学習などを利用して費用対効果の低い在庫を自動で削減していくことに力を入れつつあります。
これはポストCookieのソリューションの適応対象のメインの在庫の取り扱いを減らしていくということに他ならず、今後メディア向けのソリューションも3rd party cookieが使えない在庫に最適化したサービスが出てくる必要があるのではないでしょうか。
まとめ
この記事ではポストCookieソリューションについての現状アドテクノロジー業界が抱えている課題についてご紹介させていただきました。3rd party cookieが使えなくなることはアドテクノロジーにおける”多少”の変化ではなく、”産業革命”のような違いがあるので既存のやり方を少し変えたくらいの対応では足りないということがこれからおこっていきそうな予感がします。