【世界動向の解説】3/3 Google発表のプライバシーと追跡技術のブログ内容と、海外ID事業者の反応
はじめに
「Google、全ての広告において個人を追跡する技術を使用しないことを発表 〜クッキー以外の手段も停止〜」というブログが発表をされてさまざまな会社様から相談や問い合わせを受ける機会が多かったのでそれに対する記事です。
海外のIDプレイヤーの反応という記載していますが、基本の考え方はインティメート・マージャーの同様の見解なので、ポストクッキーのテクノロジーを提供している会社そしてインティメート・マージャーも同じような認識をしていますという話です。
(私の英語力で正しく読めているかはちょっと自信がないですが)
海外プレイヤーの反応1:Google is not killing ID solutions, but has succeeded in sowing doubt
原文はこちら
原文より引用
こちらは広く海外の共通IDベンダーに対して取材をした記事となります。
こちらの記事でも触れられていますが「Googleはサードパーティクッキーのサポートを閉じた後に広告製品内のウェブ全体でユーザーを追跡するためにメールアドレスやその他の識別子を使用しないこと」を発表しました。
これはどういうことかというといわゆる共通IDソリューションをGoogleのDV360などの製品とID単位でインテグレーションしてターゲティングをしなくするという話になっています。
これはGoogleでの広告配信に使えなくなるということを意味しているだけで、共通IDソリューションが使えなくなるということではありません(この記事の中では誤解を植え付けたという表現をしています)
FLoCなどのプライバシーサンドボックスのソリューションはChromeブラウザー閉じる機能であるため、パブリッシャーの収益化をサポートさらには広告主のターゲティング精度を高めていく上ではブラウザをまたいで使うことができる共通IDソリューションの方がパブリッシャーを収益化という面で救済するためには有益なサービスになると言っています。Googleのプライバシーサンドボックスとの共存も測れるものになるともいっております。(記載されている通り、ブラウザでオークションを完結する仕組みはとても複雑で実現する上で制約も多いので今までの仕組みからのパフォーマンス含めて今までと異なるものになる可能性があります)
業界全体でプライバシーを守っていくことはとても重要なことですが、それと共通IDソリューションが共存することはできるのではないかと言っています(IMもプライバシーを守りつつ、パブリッシャーの収益化と広告主様のマーケティング効率をあげることを共存させていきたいと考えています。)
海外プレイヤーの反応2:Answers to Your Google Announcement Questions
原文はこちら
原文から引用
こちらはLiverampさんのコーポレートサイトのブログに出されている内容になります(こういった声明を即座に出せるというところは海外の会社はかっこいいなって思います)
この発表は6つの項目から分かれています。
1.正確には何が発表されたか?
2.IDソリューションがどうやってこの状況を乗り越えるか
3.オーディエンスベースのキャンペーンにDV360を使用するマーケティング担当者にどのような影響があるか
4.メディアは今後もIDソリューションの認証を進めていく必要があるか
5. FLoCとは正確には何ですか。また、メディアプランに関連して、FLoCSについてどのように考える必要がありますか。
6.ハッシュ化メールアドレスをベースにしたソリューションはどのようにATSと連携できるか?
1.正確には何が発表されたか?
Googleは、DSPであるDV360でのユーザーレベルの購入をプラットフォームとしてサポートしません。代わりに、FLoC(Federated Learning ofCohorts)と呼ばれるコホートアプローチを採用します。ただし、今と同じような機能はDV360のAuthenticated Traffic Solution(ATS)によって可能になるになり、1つまたは複数のパブリッシャー間でプライベートマーケットプレイスの取引を実行できると期待しています。(IMでもこちらの方法でのDV360との連携を検討しています)
Googleは独自のIDを作成せず、サプライサイドプラットフォームを介してATSなどのインフラストラクチャによって有効化されたパブリッシャーのファーストパーティデータをサポートすることを示しています。
GoogleがChrome内での識別子の使用を中止することを示唆するものでもありません。実際、この発表は、ChromeによってパブリッシャーがFLoCに加えて個人ベースの識別子を使用できるようになることを強調しています(ATSが使えればIMにとってもメディアのマネタイズや商品開発などにあまり影響なくビジネスができると思っています)
2.IDソリューションがどうやってこの状況を乗り越えるか
ATSは、Googleがブログで概説した原則そのものを採用しています。ATSは、消費者の透明性と管理を何よりも優先します。これは、ファーストパーティの同意された関係の重要性を支持し、発行者の認証されたファーストパーティデータとマーケティング担当者の需要の間の直接接続を可能にします。また、ATSを活用することで、パブリッシャーは常にデータをコントロールできます。
原文より引用
3.オーディエンスベースのキャンペーンにDV360を使用するマーケティング担当者にどのような影響があるか
DV360をバイサイドプラットフォームとして使用しているマーケターは、ATSをサポートするSSP全体のプライベートマーケットプレイス取引を介してLiveramp IDで取引を開始することをお勧めします。これらのキャンペーンは、SSPのすべてのサイト運営者で機能し、OpenExchange入札と非常によく似たものになるように設計できます。今日、私たちはIndex Exchange、Magnite、OpenX、PubMaticを含むすべての主要なSSPと統合されており、発表されたばかりで、まもなく公開されるXandrです。これらのキャンペーンは今日のパフォーマンスが向上し、SafariとFirefoxでのリーチを拡大し、マーケターが将来の成功に向けて準備できるようにすることができます。(日本国内でもある程度こちらに対応するSSPも出ています)
4.メディアは今後もIDソリューションの連携を進めていく必要があるか
今日のトラフィックの5〜10%でさえ連携することで、収益を上げるのに十分です。たとえば、パブリッシャーの利回りの最近の分析によると、サードパーティのCookieと比較して、ATSを利用すると、パブリッシャーはSafariで350%、Chromeで50%の利回りを向上させることができます。昨日の発表は、出版社が認証された信頼できる消費者関係を発展させる必要性を強調するだけです。
5. FLoCとは正確には何ですか。また、メディアプランに関連して、FLoCSについてどのように考える必要がありますか。
GoogleのFederatedLearning of Cohorts(FLoC)は、Chromeでランク付けされたものと同様の関心を持つブラウザの大規模なグループをクラスター化することにより、マーケターがオーディエンスにリーチするのに役立つCookie後のソリューションです。FLoCは、コンテンツターゲット広告からの改善であると考えてください。ただし、オーディエンスベースの購入よりもはるかに劣り、Googleによって完全に制御されます。このメソッドは、ユーザーをブラウザーのグループ内に配置することによってユーザーを「ブラックボックス化」し、Googleの処理を介して実行されます。彼らのウェブ履歴は第三者に公開できないため、この方法はプライベートで安全です。コホートは個人または個人ベースではないため、コホートが大きいほど、グループ内で多様性が生じる可能性が高くなり、マーケターがキャンペーンをパーソナライズ、測定、および帰属させることが困難になることに注意が必要です。
6.ハッシュ化メールアドレスをベースにしたソリューションとATSを連携する意義は?
マーケティング担当者は、ターゲティングを目的とした電子メールを持っていることがよくありますが、店内での購入記録の名前と住所のみです。LiveRampの識別子とATSは、ディスプレイ、モバイルアプリ内、コネクテッドTV、OTTで機能するため、アクティベーション、測定、複数のチャネルにわたる属性を連携することができます。最後に、そして最も重要なこととして、電子メールのみのソリューションは、ATSほど安全ではないことがよくあります。ATSは、各プラットフォームにすべてのユーザーに一意の暗号化された識別子を提供します。そのため安全なデータ連携が可能になります。
昨日のGoogleの発表は、サードパーティのCookieの終了が差し迫っており、2022年初頭に発生することになっています。今こぞ、マーケターとパブリッシャーが行動を起こす時です。Googleは、最も価値のある広告枠である検索とYouTubeにユーザーベースのIDを使用しています。また、競争力を維持するには、他の発行者も同じことを行い、認証を最大化する必要があります。
最後に
英語の記事だと国内の方々に海外でのトレンドが伝わりづらいところがあると思い、拙いながら翻訳をさせていただきました。ATSの話は私自身も数ヶ月前にしり、具体的なポストCookieのソリューションとして切り札的に思っていましたが、結構海外では取り組みが盛んになり始めたので紹介をさせていただきました。
我々も含めたIDプレイヤーたちはGoogleの方針と反発していくわけではなく、共存しながらもオリジナリティを出す努力と関わっているメディア・広告主・テクノロジーベンダーにとって継続的なビジネスを実現できるようなそう言った仕組みをしていきたいと考えております。
弊社のポストCookieのサービスに興味がある方は以下のリンクからお問い合わせいただけますと幸いです。
https://lp.intimatemerger.com/